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厚生労働省

2023.02.27MEDISO:インタビュー

認定VCインタビュー Newton Biocapital Partners・鈴木 貞史様

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国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「認定VC(ベンチャーキャピタル)」シリーズ、今回はNewton Biocapital Partners(以下「Newton 」)の日本代表である鈴木貞史様にNewtonでの取組と日本のライフサイエンスベンチャー業界について語って頂きました。

最初に鈴木様のご略歴を教えてください。

 法学部を卒業後、協和発酵工業株式会社(現 協和キリン株式会社)に入社し医薬品の営業、海外事業展開、事業開発の仕事を行いました。その後バクスター株式会社(現 Baxter Healthcare Corporation)で製品企画、日本アルコン株式会社でマーケティングに数年携わった後、アフィメトリクス・ジャパン株式会社というベンチャーの日本法人の設立に携わりました。これが私にとってベンチャーとの初めての接点でした。当時はゲノム解析技術が飛躍的に進歩した時期だったため、刺激的な時期でした。その後バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社ではベンチャーのM&Aのプロセスに携わる機会があり、ベンチャーと大手企業の双方から創薬に関わるという経験をしてきました。そして当社の創業者の一人とのご縁から2018年10月より当社に参画し、2019年2月から日本代表を務めています。

Newton Biocapital Partners の特徴を教えてください。

 当社は欧州と日本におけるそれぞれのライフサイエンス·エコシステムに対して強いつながりを持ったVCファンドです。ベルギーのブリュッセルに本社を、東京の日本橋に日本拠点を構えています。当社には創薬領域のエキスパートが在籍しており、高いサイエンスデューデリジェンスのノウハウと、欧州全域での豊富な投資実績があります。
 投資のフォーカス領域は創薬です。ハイクオリティサイエンスをしっかり見極めて、早い段階からリードとして参加し、どのように事業を作っていくかベンチャー膝を詰めて一緒になって考えていきます。いずれの投資に置いても患者様や社会の負担軽減に焦点を当て、モダリティによらず有望なソリューションを開発するプロジェクトを支援しています。

欧州と比較した場合に、日本のライフサイエンスベンチャー業界にはどのような違いがあるでしょうか。

 日本はベンチャーの研究開発や事業開発に対してハンズオン支援を提供できる環境や人材がまだ不足している印象を持っています。欧州も同じような問題がありましたが、ここ20年ほどでベンチャーが育つための資金や人材、支援の仕組みが整ってきました。例えば当社の本社が位置するベルギーはベンチャー企業全体でみるとその数がイギリスに次いで欧州で2番目に多いです。ベルギー政府が国策としてかつての石炭や鉄鋼の産業からライフサイエンスにシフトしたことで、医療系ベンチャーの成長環境の整備も進みました。例えば北部にはFlanders Institute for Biotechnology 【VIB】、南部にはWalloon Excellence in Lifesciences and Biotechnology 【WELBIO】という組織があり当社も密に連携しています。それぞれに特徴がありますが、いずれも大学の研究へのサポートを提供し、そして起業する際には知財、IT、財務、経理など研究者だけでは対応が難しい分野の人材確保や資金調達、情報提供についてワンストップでサポートしてくれる体制が整っています。
 日本もアカデミアのシーズは非常にレベルが高いと感じていますし、アントレプレナーも増えてきている。ベンチャーを支援する仕組みも整ってきています。当社はVCとして良い技術を目利きし、日欧のあらゆるリソースにアクセスできる環境をベンチャーに提供していきます。この動きを大きくしていくためにも、ライフサイエンス分野で実務経験を持つ方々にはVC業界に入っていただき、是非一緒にベンチャーを盛り上げて行きたい、そう思います。

日本の創薬ベンチャーが飛躍するには、どのような変化が必要だと思われますか。

 医療の分野の事業においては、自社の技術が製品としてきちんと患者様に届くことが最も大切です。そのためには、パイプライン思考での事業構想が重要だと考えています。日々ベンチャーからプラットフォーム型の事業提案を受けることも少なくないのですが、結局のところプラットフォームがどのようなパイプラインにつながり、そして最終的にどのような価値を患者様に提供するのか、当社はそこを重視します。パイプラインを軸に事業を組み立てると、将来的な市場予測やマーケティングを視野に入れた事業戦略を立てることができますし、開発計画や薬事戦略についてもリスクミティゲーションが可能になるでしょう。また企業導出を出口戦略とする場合に、大手側は5年後を見据えて損失リスクの極小化とリターンの最大化する研究開発戦略を考えていますから、パイプライン思考で事業を考えているベンチャーのほうが導入相手として組み込みやすい。結果としてベンチャーの技術が早期に製品として上市される可能性は高くなるでしょう。
 当社は今年度にAMEDの認定VCとしてとして選定いただきました。日本のハイクオリティサイエンスに対して、VCとしてパイプライン思考のベンチャーを一緒につくり、そこにしっかり資源を集中的に投下し、いち早く効率的に患者様に届ける、このプロセスを一緒につくっていきたいと思っています。

(取材者:三菱総合研究所 山口将太・末松佑麿)

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