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厚生労働省

2021.07.20MEDISO:インタビュー

MEDISOインタビュー記事 株式会社リボルナバイオサイエンス様

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株式会社リボルナバイオサイエンス様が、Biogen(以下、バイオジェン社)と中枢神経疾患領域における医薬品の共同研究開発ならびにオプション付ライセンス契約を締結されました。
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株式会社リボルナバイオサイエンスの代表取締役富士晃嗣様に、ライセンス契約締結に至った経緯や、共同研究により何を目指されているのかについてお話をお伺いしました。


リボルナバイオサイエンス様の事業内容について教えてください。

リボルナバイオサイエンスは武田薬品工業株式会社からカーブアウトした、独自の創薬プラットフォームを持つスタートアップとして2018年4月に創業しました。遺伝性希少疾患に苦しむ患者さんとそのご家族が「生まれ変わった」と感じることができる医薬品を提供し医療社会に貢献することをミッションに掲げ、遺伝性希少疾患を対象とする経口型の低分子薬品の研究開発を行っています。今回、バイオジェン社と提携した中枢神経系に限らず、代謝系やがん等でも遺伝子が直接影響する疾患を複数研究開発しています。


遺伝性希少疾患に着目したきっかけを教えてください。

2014年に読んだ、あるブログをきっかけにして、遺伝性希少疾患に対する医薬品の開発をしたいと考えるようになりました。そのブログはイギリスの女性が開設したブログで、まだ社会的認知度が低い遺伝性希少疾患に苦しむ娘さんのことが綴られていました。鼻にチューブをつけ、寝たきり状態のまだゼロ歳の赤ちゃんの写真に大きなショックを受けました。創薬に携わる研究者として、遺伝性希少疾患に苦しむ患者さん本人だけでなく、同じ遺伝子を持つご家族に対しても、なにかできることがあるのではないかと強く思い、遺伝性希少疾患の治療薬を研究開発する会社を起業する道を選びました。


今回の共同研究開発、オプション付きライセンス契約に至った経緯を教えてください。

リボルナバイオサイエンスに投資しているVCがバイオジェン・ジャパンを紹介してくれたことがきっかけです。事業やプラットフォーム技術の紹介をさせていただき、その後、アメリカ本国のバイオジェン社と詳細な議論に進むこととなりました。

バイオジェン社との議論では、リボルナバイオサイエンスの考え方、目指す方向を非常にリスペクトしてくださいました。バイオジェン社は我々を評価するというスタンスではなく、患者さんやご家族のために研究開発するという我々の考え方に沿って、「こういうデータは取れないか」、「このような解釈もできるのではないか」と彼らの経験に基づく実践的なアドバイスをしてくれました。そのような親密な議論を1年かけて行い、契約交渉に進みました。ただ、今当時を振り返ると、これらの議論がサイエンティフィックデューデリジェンスだったと思うのですが、バイオジェン社のサポーティブな姿勢のおかげで、そのような認識を持ちませんでした。

契約交渉においては、改めてアメリカは契約社会だということを実感しました。将来に生じうる事象として、そんなことまで想定するのかという内容まで詳細に議論しました。要した期間はそこまで長くなかったのですが、研究者の私には上述の科学的な議論をした期間よりも、契約交渉に費やした時間の方がはるかに長く感じました。



リボルナバイオサイエンス様の今回の契約は多くのスタートアップ企業が目指している姿かと存じます。日本のスタートアップ企業が、海外の大手製薬企業と交渉する際のポイントを教えてください。

サイエンティフィックデューデリジェンスでは、お互いに目線を揃えて、良い薬を作り上げていきましょうという姿勢で協議するよう心がけています。「化合物が取れました、生物学的評価をしました、効果がありそうなので買ってください」という単純なアピールではなく、「自分たちの薬剤でこのような患者さんを治療したい、こういう市場のなかでこういう立ち位置にさせたい、たとえ自分たちだけでも開発を進めるつもりだ」と熱い思いを伝えると良いと思います。

また、サイエンティフィックデューデリジェンスに入る前のNDAを結んでいない状況で製薬企業と議論する際にも、可能な範囲にはなりますが、議論に必要なデータは積極的に出すと良いでしょう。国内海外を問わず、製薬企業は情報を盗んでやろうという考えではなく、一緒に作り上げましょうという考えであるという前提で話をした方がお互いのコミュニケーションがスムーズに行くと思います。



リボルナバイオサイエンス様は何度かMEDISOをご活用されています。MEDISOに対しては、どのような印象をもたれていますでしょうか。

BiojapanにてPMDAの方にMEDISOを紹介していただきました。MEDISOでは、前臨床試験に関して専門的知見から非常に詳細なアドバイスをいただくことができ、当社としての研究開発の方向性を定める上で大変参考になりました。MEDISOからいただいた多くのアドバイスは、バイオジェン社との交渉においても、有意義に活用させていただきました。

MEDISOには多岐にわたる専門家が所属しているので、創薬研究する会社ならば、どのようなステージでも、どのような内容でも相談できると感じました。我々が利用したデータの解釈だけでなく、資金調達、薬事戦略、特許戦略等、スタートアップが必要としている支援を網羅していますし、無料なので活用しないのはスタートアップにとって機会損失だと思います。



リボルナバイオサイエンス様がこれから目指される目標、計画について教えてください。

2018年に設立したばかりのスタートアップのため、現在の規模のままでは、患者さんにダイレクトに薬を届けることはできません。患者さんとご家族に薬を届け医療社会に貢献するというミッションを達成するには、周囲からサポートを得る必要があります。
その中でも特にタイトなコラボレーターとなる製薬会社から信頼され続けるパートナーになりたいと考えており、今後も革新的な医薬品の研究開発に邁進していきます。


他のベンチャー企業に対するエールをお願いします。

我々もスタートラインに立ったばかりですので、既にスタートアップされている諸先輩方から指導いただきながら事業を進めていきたいと考えています。
一方で、バイオベンチャーの悩みは共通していることが多いため、MEDISOをハブとして日本のバイオベンチャーを盛り上げていきたいと思っています。一緒に頑張っていきましょう。

 株式会社リボルナバイオサイエンス 代表取締役富士晃嗣様
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