2024.06.19MEDISO:インタビュー
MEDISOサポーターインタビュー 渡邉 伸一 様
こんにちは。MEDISO事務局です。
今回は、MEDISO非常勤サポーターの渡邉 伸一先生にお話を伺いました。
主なキャリアを教えてください
2003 年に弁理士登録し、特許の権利化業務に携わってきました。キャリアの初期から海外メガファーマの特許出願代理に10数年携わり、欧米の優秀な特許代理人から実務を学ぶ機会を得ました。また、2005年ごろから、日本でもブームとなった、大学発ベンチャーの支援も行ってきました。
長らく医薬品を中心に支援をしてきたのですが、5年ほど前から、AIも支援対象としています。医療を含めて多くの産業の在り方を変えてしまうポテンシャルを持つにも関わらず、日本のAI開発がアメリカや中国と比較して遅れていることに危機感を抱いたのが、その理由です。さらに当時はAIを支援対象とする日本の弁理士はほぼ皆無でしたので、もともと有していたプログラミングの知識をベースにAIについて学びなおし、知識を裏付ける資格もとって、支援を始めました。その知見を活かして、MEDISOでは医薬品よりもむしろ、AI関連およびSaMD関連の支援を多くさせていただいています。
お仕事やご支援の中での成功談や、嬉しかったことなどを教えてください
ベンチャーが成長していくには、そのコア技術を特許で保護することが最も重要となります。ベンチャーのコア技術を特許としてしっかり権利化すること、それもベンチャーが成長するための武器として使える強力な特許を成立させることが弁理士としてベンチャーに貢献できることです。無事に権利化できた瞬間は、最もやりがいを感じます。
MEDISOサポーターとしてどのような活動をされているか教えてください
MEDISOでは、知財部がない、知財を専門に扱う人材が社内にいないというベンチャーをこれまで数多く支援してきた経験を活かし、支援を行っています。基本的に創業間もないベンチャーが知財に関して困る箇所は共通していますので、それらのエッセンスをウェビナー等を通じてお話しさせていただく機会も最近は多くなってきました。
近年のベンチャービジネスを取り巻く環境について、感じていることをお聞かせください
知財のことを考えずに事業を始めてしまったせいで基本特許を取得できなかったというベンチャーさんはよくいらっしゃいます。「起業しようかな?」と思ったら、少しでも早い段階でMEDISOに相談し、知財の観点からサポートをしてもらうことが重要です。
特に、大学の先生方には、特許より論文が重要と考えられている方も多くいらっしゃいますが、特許は論文作成とほぼ同じような作業で取ることができますので、「知財取得=事業化」と構えず、論文化と知財化を並行して進めていくことがアカデミアのスタンダードになればよいなと思っています。
話題は変わりますが、ご趣味は何でしょうか
趣味が高じて面白い資格をいくつか持っています。
一つはJSAワインエキスパートです。フランスに2年ほど住んでいた際に、毎日ワインを飲み、はまってしまいました。単なるのんべえに終わるのは面白くないと思い、日本ソムリエ協会のエキスパート資格を取りました。
もう一つは森林セラピストです。たまたま仕事で匂い受容体というタンパク質について調べていた時に「森林セラピー」というものがあることを知りました。森の木から出る「フィトンチッド」という物質がストレスを下げる効果を持っており、森に行って「フィトンチッド」を浴びるだけで、元気になれるというものです。30代後半の頃に、何人かの友人が仕事をしすぎてメンタルを崩してしまうことがあり、彼らを助ける役にも立つのではないかと思い、「森林セラピスト」の資格試験を受けました。森林セラピーの効果は1ヶ月程度続くため、多忙な経営者の方にも月1回のペースで森に行きリフレッシュすることを勧めています。