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厚生労働省

2024.10.08MEDISO:インタビュー

MEDISOサポーターインタビュー 山蔭 由貴 様

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こんにちは。MEDISO事務局です。
今回は、MEDISO非常勤サポーターの山蔭 由貴さんにお話を伺いました。

主なキャリアとベンチャー企業との関わりを教えてください

 実は、大学は教育学部を卒業し、将来は小学校の国語の先生になる道もありました。しかしご縁もあって、日本の製薬企業に就職し、経営企画部に配属されました。ファーストキャリアで新人ながらもビジネス全体を見渡す経験ができたことは大きな財産になっています。数年間勤務したのちに、イギリスへの留学を決意しました。帰国後は、医療機器メーカーに秘書として再就職しましたが、保険適用の戦略を専門とする部署が新設されたのを機に異動を申し出ました。保険を専門的に習得したのは、このタイミングでした。保険制度は2年に一度、診療報酬改定が行われるため、既存の制度の全体像を把握しながら、一方で日々アップデートされる内容を学ぶことに楽しさを感じていました。そこで培った経験や知識を基に、医療機器の保険申請をコンサルティングする現在の事務所を2018年に設立しました。
設立後は、AMEDのMEDICでの支援業務や科学技術調査員を務める機会を頂きまして、その中で徐々にベンチャー企業と関わりが増えきました。ベンチャー企業はリソース面が限られていますから、大手企業のように専門部署と人材を確保して保険戦略を含めて全方位的に自前で体制を整えるのは難しいと思います。そのような方たちに自分の知識が役に立つのならば、是非、支援したいと思っています!

仕事のやりがいや、楽しかったことなどを教えてください

 業務の中で、患者団体や学会の有識者とお話しする機会が多く、彼らの熱い思いに触れることがいい刺激になっています。この業界では、医療機器に限らず、多くの医薬品や技術が、患者とその家族を助ける手段となっています。自分の仕事が、困っている方への支援の一助になっていることにやりがいを感じています。
 また、保険戦略に関する知識の習得のために医療政策・技術評価をテーマに開講された東京大学のHTAエキスパート養成プログラムを当時第1期生として受講したのですが、同じ受講生の熱量に驚きながらも、臨床開発など様々な分野で医療業界に取り組む方々と共に切磋琢磨できてとても貴重な期間でした。同じ受講生の方々は、自身のキャリアアップや明確な問題意識を持っている方が多く、今でも集まって勉強会を開催したりとご縁が続いています。

MEDISOサポーターとして得意とする支援内容を教えてください

 主に保険収載に関する分野でベンチャー企業の皆様のご支援しています。先ほどもお話しましたが、保険制度については2年に1度、診療報酬改定が行われます。改定に伴って各種ガイドブックが発刊されるのですが、最新版が世に出るのは少し時間が開いていまいます。また、前回からの変更点を含めて細かく理解するには多くの知識と労力を必要とします。医療系ベンチャーでは、研究開発に多くのリソースを割くことになると思いますが、一方で初期の段階から事業の実現可能性の観点で投資家からは薬事や保険の戦略について説明を求められることになるでしょう。必ずしも初期段階で全てを完璧に固めておく必要はないのですが、早期に保険戦略の骨格を確認しておくことはとても大切です。よく資本政策は後戻りできないと言われますが、保険戦略も同じです。最新の保険制度や戦略立案について、早期の段階からMEDISOを活用して相談していただければと思います!

近年のベンチャービジネスを取り巻く環境について、感じていることをお聞かせください

 知財のことを考えずに事業を始めてしまったせいで基本特許を取得できなかったというベンチャーさんはよくいらっしゃいます。「起業しようかな?」と思ったら、少しでも早い段階でMEDISOに相談し、知財の観点からサポートをしてもらうことが重要です。
 特に、大学の先生方には、特許より論文が重要と考えられている方も多くいらっしゃいますが、特許は論文作成とほぼ同じような作業で取ることができますので、「知財取得=事業化」と構えず、論文化と知財化を並行して進めていくことがアカデミアのスタンダードになればよいなと思っています。

話題は変わりますが、ご趣味は何でしょうか

 実はイギリスへの留学は文学研究で1年間、大学院に通っていました。当時から文学に触れあうことが好きで、今でも月に1度、イギリス文学や児童文学を批評的に読む読書会を行っています。最新の作品を読むことが多いので、殆どは日本語に翻訳されていないタイミングで原著を読みます。読書会のメンバーが各々の視点から考察をし、話の展開や伏線等、ロジカルな思考で読み解いています。
 また、コロナ以前は温泉旅行や世界遺産を巡る旅行が好きでしたが、コロナを契機に数が減ってしまいました。その代わりにワーケーションにいく機会が増えたので、自分をリフレッシュさせながらオンとオフを切り替えられる場所を探すのが楽しみになっています。

医療系ベンチャーへのメッセージをお願いします

 皆様の熱い思いが実現するために、これからもMEDISOの活動を広げ、皆様の成功のご支援をできればと考えています。今回の記事を通して、出口戦略を考える際は、薬事に加えて、“保険”というキーワードを覚えていただけると嬉しいです。また、早期の段階で保険戦略についても考えることで、事業戦略が正しい方向に向かっていくと思います。是非、ご相談ください!

(取材者:三菱総合研究所 山﨑祐樹・山口将太)

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