2024.08.01MEDISO:インタビュー
MEDISOサポーターインタビュー 根本 鮎子 様
こんにちは。MEDISO事務局です。
今回は、MEDISO非常勤サポーターの根本 鮎子さんにお話を伺いました。
主なキャリアを教えてください
2007年に弁護士登録しました。ファーストキャリアとしては、英国系法律事務所のクリフォードチャンス法律事務所に入所し、主にコーポレート、キャピタルマーケット及びファイナンス部門でのリーガルワークを経験いたしました。在籍中には、法務部員として医療機器メーカーでの1年間の出向も経験しました。出向時にヘルスケアに関連するレギュレーションに携わったことを契機に、現在もヘルスケア関連の案件を多く担当しています。
その後、米国系法律事務所であるK&L Gates法律事務所に転職しました。転職後は、コーポレート関係の案件に加え、FDAチームでヘルスケア関係のレギュレーションに関わる案件を担当していました。また、在職中にはワシントンD.C.のジョージタウンローセンターに留学し、ニューヨーク州司法試験にも合格しました。その後、1年間 K&L Gates シアトルオフィスでの勤務の中では、FDA lawyerと呼ばれるFDAチームの弁護士達との協業を経験しました。
帰国後はK&L Gates 東京オフィスでの3年間の勤務を経て、ゾンデルホフ&アインゼル法律特許事務所に転職し、6年勤務したのち、2023年7月にアクアシス法律事務所を立ち上げました。
ベンチャービジネスとの関わりを教えてください
キャリアの前半では、M&Aでスタートアップ企業を買収する側の法務デューデリジェンスに関わる場面が多かったのですが、その際に、「スタートアップのコンプライアンスがより整っていたならば、バリュエーションにも反映されるのではないか」と考えるようになりました。これをきっかけに、スタートアップの支援を志し、MEDISO設立当初の2018年からサポーターとして活動しています。サポーター就任と並行して、スタートアップ企業の法務・コンプライアンス支援や、スタートアップ企業に社外役員として参加する等、スタートアップ企業との関わりを深めていくようになりました。
お仕事やご支援の中での成功談や、嬉しかったことなどを教えてください
普段の業務やサポーターとしての活動の中で、スタートアップ企業の創始者の方と直接話す機会が多くあります。このような場で、創業の想いや解決したい世の中の課題を伺い、法規制の観点でブロッカーへの対策を一緒に模索します。課題を乗り越えられたときに、弁護士として関わった意味があったのではないかと感じ、嬉しく思います。
MEDISOサポーターとしてどのような活動をされているか教えてください
MEDISOでは、最近は個人情報・データ規制や研究規制に関する支援を行う機会が多いです。広くスタートアップに関連する法規制の検討に加え、ヘルスケアスタートアップ特有の法規制に対応できる点が強みです。ビジネスの立ち上げ時などのアーリーな段階で、「どのような法規制が関係するか」「どのような規制がサービスのブロッカーになりそうか」を検討することは、自身にとって強みがある領域であり、やりがいを感じています。
MEDISOの活動に参加して良かった点を教えてください
MEDISOは、サポーターにとってもスタートアップとの出会いの場です。スタートアップの方々は、それぞれ想いや解決すべき課題を掲げて起業しています。MEDISOを活用されるスタートアップやアカデミアの方の話を伺う中で、私自身も社会として取り組むべき課題の気づきを得ることがあり参加して良かったと感じます。
ベンチャー・アカデミアの方々に、どのようにMEDISOを活用いただくと良いとお考えでしょうか
スタートアップに関わる皆様が、いま抱える課題に対するリーチの方法や宛先が分からないときに、MEDISOを活用していただきたいと思います。MEDISOでは、面談を通してスタートアップ企業とサポーターをつなぐ場を提供している点に価値があると感じています。
話題は変わりますが、ご趣味は何でしょうか
旅行やキャンプなどで、新しい場所を訪れることが好きです。また、2人の子どもと出かけることが趣味です。最近では、大型連休時にはキャンピングカーを借りて、地域や都市を巡っています。これまでは、東北・中部・関西を巡りました。
医療系ベンチャーへのメッセージ
2023年に自分自身も独立をし、組織を立ち上げることの大変さを身にしみて感じています。一方で、多くの人が、ある社会的課題の解決やご自身の持つ目的の達成のために組織を立ち上げ活動するスタートアップの皆様を応援している、ということを忘れないでいただきたいです。
法規制に関しては、スタートアップ企業の皆様が乗り越えなければいけない壁が多くあります。しかし、壁を乗り越えた先には、新しいビジネスやサービスの展開が待っています。その時々で難しい壁があるように感じたとしても、情熱を持ち、解決策があると信じて進んでいくことが大切だと思います。
壁を乗り越えるためにサポートするメンバーが、MEDISOを含め、スタートアップ・アカデミアの方々の周囲にいます。周りを頼りながら前に進んでいってほしいと思います。
(撮影場所 : WeWork)
(取材者:三菱総合研究所 倉渕 瑶子・鐘ケ江和菜)