2021.06.09MEDISO:インタビュー
MEDISO常勤サポーターインタビュー
こんにちは。MEDISO事務局です。
今回は、MEDISOを支える常勤サポーターの佐々木さんと橘さんにお話を伺いました。
主なキャリアを教えてください。
佐々木:大学院を終了後、内資の製薬メーカーに入社しました。リード化合物探索、バイオメカニズム解析等の基礎研究、薬物動態解析等の非臨床試験、承認申請対応に携わった後、研究企画として複数の医薬品の研究開発マネジメントを担い、承認申請が通り上市できた医薬品もあれば、承認申請が通らなかった医薬品も経験しました。その後、薬事部門に異動し法規制対応を担当していました。 製薬メーカーを退職してからは、静岡県の中小企業、ベンチャー企業、アカデミアを支援する静岡県産業振興財団の産学連携コーディネーターとして、創薬ベンチャー企業、バイオベンチャー企業への研究開発支援をしています。 MEDISOでは、製薬メーカーで経験した基礎研究から非臨床試験、承認申請、承認取得までの幅広い知見と産学連携コーディネーターとしての企業支援経験をもとに、ベンチャー企業をサポートしています。
橘:総合精密機器メーカーの医療機器部門で、商品企画から品質保証まで一連の業務を経験しました。
私が企画した製品がリスクの高い医療機器としてアメリカで製品化される際に、法規制対応を担当することとなり、アメリカのクオリティ・システム・レギュレーション等の品質システムをゼロから学びました。その後、アメリカだけでなく、ヨーロッパ、日本の品質システムを扱う部門のマネジメントを担当しました。
また、所属していた会社では品質経営の普及活動を行っており、私も経営コンサルティング業務を経験し、大手、中小企業、ベンチャー企業各々の経営のポイントについて学びました。
MEDISOでは、これらの経験を活かして、医療機器製品化の上流から下流まで、相談者様の要望にマッチした支援を行いたいと思っています。
得意とする支援を教えてください。
佐々木:医薬品の法規制対応の支援を得意としています。医薬品を開発する際には法規制を無視することはできません。新型コロナウイルス感染症に対するワクチンや治療薬でも話題になっていますが、法規制は医薬品を抑制するためにあるのではなく、優れた医薬品の開発や供給が効率的に行われるためのレールとして作られたものです。クオリティ・マネジメント・システムやグッド・マニュファクチャリング・プラクティス等の品質管理も同様です。法規制を活用するという支援を行っています。
橘:医療機器の中でも、医療機器プログラムの支援を得意としています。日本では2014年の薬事法改正後にプログラム単体で医療機器として求められるようになりましたが、欧米では、医療機器プログラムのカテゴリーが以前からありました。薬事法が改正されて以降、日本でも医療機器プログラムを開発するスタートアップが増えており、MEDISOでも多くの相談を受けています。一般的な医療機器と異なり、医療機器プログラムには独自の要求事項があります。そのあたりのノウハウも提供できればと思います。
実際にMEDISOサポーターとして活動してみた感想はいかがでしょうか。
佐々木: MEDISOでは常勤サポーターとして、ベンチャー企業と一緒になって解決の糸口を見つける支援をしております。自らの経験がベンチャー企業のお役に立てることにやりがいを感じています。
橘:ベンチャー企業の相談対応の前には、自らの知識を広げるための勉強が欠かせません。毎日勉強することで、支援できる領域も広がり、楽しみを感じています。また、相談者は皆さん熱い志しを持たれており、元気をもらえています。
上手なMEDISOの利用方法を教えてください。
佐々木:MEDISOは事業計画、法規制対応、知的財産戦略、資金調達等の相談に対応しており、対応範囲が広いです。対応範囲が広いことの良いところは、相談者が何でも相談できるだけではなく、相談者の気が付いていない問題点も支援できるというところです。資金調達に関する相談として申し込んだ相談者の悩みを聞いていると、資金調達の前に知的財産を検討する必要があることが分かり、まず知的財産に関する支援を実施したというような事例が度々あります。悩みごと、困りごとがあれば、まだぼんやりした相談内容でもよいので、MEDISO相談に来てほしいと思います。
橘:おっしゃるとおり、相談内容が明確化されておらず漠然とした内容でも相談できるというところがMEDISOの良いところです。加えて、相談者の準備が不要な飛び込み相談「MEDISO Open Hours」というシステムも準備していますので、早いタイミングで相談に来てほしいと思います。
経営資源が投下され、開発が進んだタイミングで戦略の誤りが明らかになったら、大きな出戻りが発生します。そのような状況になり、事業が進められなくなったベンチャー企業を何社も見てきました。そのような場合、心が傷みますが、提供可能な支援も限られてしまいます。事業を進めるうえで不安を感じたら、問題が発生する前に、できるだけ早く相談に来てほしいです。
医療系ベンチャー企業へのメッセージをお願いします。
佐々木:新型コロナウイルス感染症の影響でビジネスモデルが変化しています。医療関係では、例えば遠隔医療が急速に実装されつつあり、法規制も大きく変化する可能性があります。変化するところにビジネスチャンスがありますので、ベンチャー企業には期待しています。
橘:おっしゃる通りですね。大手企業より、意思決定が速く、1つのことに特化できる点がベンチャー企業の強みです。新しいビジネスを推進するベンチャー企業が数多く出てくることを期待しています。
話題は変わりますが、ご趣味は何でしょうか。
佐々木:定年退職してから地元の合唱団に所属し合唱を6年間続けています。しかし、コロナ禍では練習も中止となり、合唱祭や定期演奏会も開催できていません。クラシック音楽のコンサートを聴くことも趣味でしたが、こちらも演奏会が無くなってしまいました。半面、コンサートなどのネット配信がされるようになり、ライブ配信では会場にいるようなワクワク感も感じることが出来ます。最近は合唱練習やコンサートも少しずつ再開しており、また楽しみたいと思っています。
橘:少しオタクっぽいですが、PCの自作が趣味です。医療機器プログラムを扱う医療系ベンチャーのCEOも意外に、似た趣味を持つ人が多く、CPUやボードの話題で盛り上がることもあります。今使用しているPCが古くなってきているので、新しく作る予定です。 写真撮影も好きです。以前は撮影のために旅行もしていましたが、コロナ禍では散歩で行ける範囲で撮影を楽しんでいます。改めてレンズを向けてみると、新しい発見があり、気が付いていなかった身近な被写体の素晴らしさを感じる毎日です。最近上手に撮影ができたのは、近所の公園に飛んでくるサギ、路傍の花、あと奥さんの写真です。