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厚生労働省

2023.11.10MEDISO:インタビュー

認定VCインタビュー MP Healthcare Venture Management, Inc.・小沢 将太様

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 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の「認定VC(ベンチャーキャピタル)」シリーズ、今回はMP Healthcare Venture Management, Inc.(以下「MPH」)でディレクターを務める小沢将太様にMPHでの取組と日本の医療系ベンチャー業界について語って頂きました。

 社名
 MP Healthcare Venture Management, Inc.
 所在地
 33 Arch Street, Boston, MA
 設立
 2006年8月
 ファンド実績
 ファンドは組成していない

最初に小沢様のご略歴を教えてください

 田辺製薬(現 田辺三菱製薬)に研究職として入社し、まずは基礎研究に従事していました。そして、薬理に関する部署を経験した後、京都大学に出向し田辺三菱製薬が京都大学と協働で立ち上げたプロジェクトに参画しました。出向から復帰してからは、研究から離れ、ビジネスディベロップメント部に異動し「自社の研究開発品の導出」「他社の研究開発品の導入」「アライアンスマネジメント」に取り組みました。ビジネスディベロップメント部では医療系ベンチャーを含めた研究開発品の評価、デューデリジェンスの経験を積み、2023年6月に田辺三菱製薬のCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)であるMPHに赴任し、現在に至ります。

MPHの特徴を教えてください

 MPHには2つの役割があります。ひとつはボストンというベンチャーが多く集まる地域に拠点を作り、親会社である田辺三菱製薬の戦略に沿ってCVCとして投資を実行すること。もうひとつは、ボストンにおいて有望なベンチャーや投資家とのネットワークを形成・維持することです。
 ファンドのような償還期限は設定せず、シード・アーリーの段階からEXITまで支援することをポリシーとしており、他のVCと比較した際の優位性であると言えます。
 投資先の選定では、技術の新規性や成長性、田辺三菱製薬とのシナジーを重視します。そのため、主な対象企業は新規治療薬や創薬プラットフォーム技術を開発しているバイオテクノロジー企業となります。対象疾患は田辺三菱製薬の戦略と合致していなくとも、将来的に結びつく可能性があれば前向きに検討をしています。
 また、地域性という観点からは、北米とヨーロッパが中心でしたが、近年は日本も対象としています。

日本の医療系ベンチャー業界に抱く印象を教えてください

 MPHの代表であるJeffrey Mooreは、日本の医療系ベンチャーのサイエンスレベルは高いと評価しています。一方で、会社としての経験値、経営レベルはまだまだ成熟していないと見立てています。日本の医療系ベンチャーは、製薬企業などで長年働いたのち退職後に新たに経営に携わるケースが多く、ヘルスケアやバイオテクノロジーに関する知識は持っていても、経営の知識やスキルは持ち合わせていないことが多いです。海外のベンチャーでは、長年多くのバイオテックで経験を積み、ベンチャーの立ち上げやEXITを複数経験している経営者も少なくはありません。その背景として、アメリカにはボストンやサンフランシスコのようにアカデミア・ベンチャー・関連企業が集積している地域があり、資金・情報・人材が循環するエコシステムが形成されていますが、日本にはそのような地域がなくエコシステムが形成できていないという実情があります。

最後に、日本の医療系ベンチャー業界が大きく飛躍するためのアドバイスをください

 日本の医療系ベンチャーの弱みである会社としての経験値、経営レベルの低さは、医療系ベンチャー業界の人材不足に起因しており、人材不足には2つの原因があると考えられます。ひとつは医療系ベンチャーの給与の低さです。日本の医療系ベンチャーのトップの給与が大手企業の一般社員よりも低いということも珍しくありません。給与面の魅力を高める必要があるでしょう。もうひとつは失敗が許されない日本の文化です。医療系ベンチャーへの転職を活性化させるためには、成功しなければキャリアが終了してしまうのではなく、失敗しても次のチャンスを得やすい仕組みや制度、文化を作ることが重要になると考えます。
 また、テクニカルなアドバイスになりますが、ボストンでのCVC業務で強く感じているのは、VCやCVCから投資を受けるためには「資料の見せ方」が非常に重要ということです。VCやCVCはとても多くの案件から相談を受けているため、初期の段階では一つ一つの案件をじっくりと落ち着いて隅々まで確認し、評価することは困難です。そのため、多忙なVCやCVCがひと目で理解でき疑問が残らない資料作りが求められます。例えば、資料にグラフを載せる際には、どのような実験に基づき作成したグラフなのか、何と何のデータを比較したグラフなのかといったメタ情報までひと目で伝わる必要があります。

(取材者:三菱総合研究所 森卓也・末松佑麿)

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