2019.09.11MEDISO:インタビュー
MEDISOサポーターインタビュー 重松 誠 様
こんにちは、MEDISO事務局です。今回は、普段面談を実施していただいている非常勤サポーターにお話を伺いました。本日は、カイ・フォスタリング・パートナーズ株式会社 代表取締役 重松 誠 様です。
重松さんのキャリアを教えてください。
私は大学卒業後、大手材料メーカーで勤務し、工場の試作課で、あるアナログ素子の研究開発・試作を行っていました。それから5年後に、この素子の事業部が新設され、その後の15年間はそこに所属していました。この事業部の中で、プロダクト・ライフ・サイクル(PLC)※を一通り経験しましたが、この経験を通じて強く感じたのは「PLCにおける成長期の楽しさ」です。今でいうスタートアップ・ベンチャーです。40年前はまだ社内ベンチャー制度すら無い時代でしたね。もちろん、新規事業の成長期は多くの困難を伴うので、辛いこともたくさんあるのですが、まだ事業の規模も小さく、全体を見ることができるので、非常に面白みを感じながら仕事を行うことができました。この製品が成長期を迎えている時期、私はこの事業部の責任者でした。そのため、私自身が多くの社員を雇用しましたが、この時期に雇用した社員は非常に成長が早かったです。他方、成熟期になると事業部としても売り上げなどが落ち着くのですが、その分、困難に遭遇する機会が少なくなったり、事業が大きくなったことで組織が緩慢となり、どうしても社員の成長スピードも下がってしまうのです。
こういう経緯で成長期(スタートアップ)の面白さを非常に強く感じたので、それを多くの人に伝えたいと考えて、20年間勤務したメーカーを退社し、ベンチャー・キャピタル(VC)に転職しました。VCでは200社以上のベンチャー企業を見ましたが、最終的に出資を決定したのは4社でしたね。最初はITベンチャー等に出資をしていましたが、元々が技術屋ということもあり現場が恋しくなりました(笑)。そこで、出資だけでなく自らも積極的に事業運営に参加するようになり、バイオベンチャーや大学発ベンチャーへの出資とともに経営にも参画しました。
結果、歴史ある大企業で20年間勤務後、VCで20年間勤務というキャリアを歩んだことになりますが、この2つの経験を活かし、現在、非常勤サポーターとして医療系ベンチャー企業を支援しています。
※プロダクト・ライフ・サイクル(PLC):製品が市場に投入されてから撤退するまでのプロセス。製品が市場に投入されたばかりの「導入期」から始まり、売り上げが上昇を続ける「成長期」、売り上げがピークに達する「成熟期」、売り上げが減少する「衰退期」からなる。
ご自身の得意とする支援はなんでしょうか
主に、マーケティング、事業計画、資金調達、事業実施体制、知的財産等、新規事業の立上げに関する支援を行っています。これらの分野での支援をさせていただく際、「伝統企業とベンチャー企業」という対照的な企業風土の理解、そして「投資家とベンチャー企業の経営者」という対極的な立場の経験を踏まえてご支援させていただくよう心がけています。
MEDISOサポーターとして活動してみて、どのようなことをお感じになりますか?
ベンチャービジネスを行う上で重要なのは、顧客の本当に困っていること(=ペイン)にアプローチできるビジネスを立案することです。今の時代、顧客のペインにアプローチするビジネスでないと、なかなか成功することが難しい傾向にあります。一般に、ベンチャービジネスは、このペインを探す段階で大きな苦労を伴うのですが、医療系の分野では、このペインの存在する領域が非常に明確(例えば病名という形)なので第一関門を通過しており、あとは算盤勘定と御客様に頭を下げる商習慣の浸透かと、大変に興味深く感じています。
最後に、MEDISOを活用しようとしている方や、活用している方にメッセージをお願いします。
先ほど、ベンチャービジネスを行う上で重要なのは、ペインにアプローチすることであるということを言いましたが、もう1つ重要なのは、経営者の「想い」です。ベンチャー企業を見ていると、1年後にビジネスモデルが全く違うものになってしまっているケースがよくあります。もちろん、ベンチャー企業にはビジネスモデルのピボットはつきものです。しかし、ピボットは、経営者の「想い」を軸にしてビジネスモデルを変更することですので、その根底にある「想い」まで変えてしまうようなケースはピボットではありませんし、「想い」に基づいていないビジネスは成功まで辿り着かないように感じています。
MEDISOは、そのような経営者の「想い」に対応できるメンバーが揃っています。そこで相談に来ていただける方々には、この絶好の機会を無駄にしてほしくありませんので、相談の際には、可能な限りの準備をしていただいた上で来ていただけると、相談の効果も大きく変わってくると思います。また、もし相談を受けた後に「もっと、こういう相談にも乗ってほしかったんだけど…」というようにお感じになるようなことがあれば、引き続きメール等で遠慮なく連絡をください。そのようなご要望にしっかりと応えられる体制が、MEDISOには整っていますので。
MEDISOの相談を通して、多くの人が幸福になるような企業を応援できればと思います。